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本殿(国宝)平安時代後期の造営で、神社建築としては現存最古とされる

世界遺産

宇治川の東岸の朝日山の山裾には、神社建築では、日本最古の本殿(国宝) - 平安時代後期の造営で、神社建築としては現存最古とされる。
拝殿(国宝)は鎌倉時代前期の造営で、寝殿造の遺構といわれる。切妻造、檜皮葺き。桁行6間、梁間3間の主要部の左右に各1間の庇を付す。

宇治上神社は、背後に山麓の緑林が迫る社域に拝殿と本殿だけが白砂敷の境内にひっそりと残る古社であるが、そのふたつの殿舎こそが、宇治上神社を世界文化遺産に登録させた建築物。

平安朝をしのぶ優美な本殿

石橋を渡り、小さな門をくぐると檜皮葺の屋根が低い拝殿が正面に建つ。ふつう神社の拝殿というと高床式で四方が開放たれたものであるが、ここ宇治上神社の拝殿は平安時代の寝殿造の様式をとり入れて、典雅な宮廷貴人の住宅のようである。
屋根の左右に軒先から張り出された庇をもち、また中央に板扉を開き、両脇の面は蔀戸(しとみど)と白壁で構成され、床は低く、四周にはこれまた低い勾欄をもつ外縁をめぐらせている。
なんといっても、宇治上神社の白眉はこの優美な拝殿奥の本殿である。その外観は覆屋で、この覆屋も鎌倉期のものといわれ、切妻造の檜皮葺は端正な姿をみせる。

前面に近寄って細かな格子戸から内部を拝すると、一間社流造の社殿が三棟並んでいるのがみえる。
中央に応神天皇、右に仁徳天皇、左に稚郎子を祀る。

これが平安中期とも鎌倉初期のものといわれる日本最古の神社建築で、とくに階の左右に設けられた勾欄の美しい曲線、それは内陣にもくり返され、まことに繊細な造形である。

また、境内には京の名水のひとつ桐原水が湧く。稚郎子の桐原日桁宮による名である。

宇治市宇治山田59
0774(21)4634
境内参拝自由
京阪宇治線宇治駅下車徒歩10分

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