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西芳寺(苔寺)(さいほうじ・こけでら)作庭の見本となった上下の庭

弘法大師、法然上人も来住した。傑僧夢窓疎石が再興した庭園は室町期の名園

世界遺産
苔寺は現在、苔庭の保護と周辺環境への配盧から、事前の申し込み制になっている。
西芳寺(苔寺)の創建は、聖徳太子が別邸を建てたことによるとか、行基が天平年間(729~49)に聖武天皇の勅願により開創した「西方寺」がそのはじまりとかといわれ、明らかではない。
ただ、建久年間(1190~99)中原師員が諸堂を再建して、西方寺、穢土寺の二寺に分けるとともに法然を招いて浄土宗に改宗したということは諸書に記されている。

その後、兵火で荒廃するが、中原師員の子孫の摂津親秀が1339年(暦応2)夢窓疎石を招請して復興する。あわせて西方寺を西芳寺とし、浄土宗から臨済宗に改めた。
夢窓疎石は堂宇とともに庭園の大修復に着手、上下二段構えの名庭を造った。天龍寺の建立をはじめる少し前のことである。この造園はおおいに評判をよんで足利将軍らの参詣があいつぎ、また足利義政の東山山荘(銀閣寺)の庭づくりの規範になったという。
しかし、応仁の乱や洪水の被害で庭園は荒れはて、本願寺の蓮如によっていったんは再造園されるが、のちに兵火や水害で寺域は再び荒れ、現在の姿は明治初期の復興による。

名高い苔庭をめぐる

入寺を許可された拝観者は本堂で説法を受け写経をおさめたのちに順次、庭園を拝見することになる。庫裏の前を築地塀に向かい小さな門をくぐると、池泉回遊式の下の庭である苔庭が、池と老樹の景色のなかに、じつにふんわりと広がっている。苔地に踏み入らぬようにめぐらされた苑路に従って静かに歩む。

まず、湘南亭茶室をみて、池に浮かぶ朝日ケ島と夕日ヶ島の木洩れ陽に映える緑苔の光景、池畔が水面に沈み込むようすをじっくりとみておきたい。苔庭をほぼ一周すると、向上関という小さな門があり、その先は上の段の枯山水石組の庭になる。

往復葉書又はオンライン申し込みが可能です。

希望日、人数、代表者の氏名住所を明記の上、2カ月前~1週間前までに必着で参拝申し込み

2021年6月より、直前の申し込みに限り、オンライン上での事前申込受付を開始

往復はがき申込オンライン申込
〜手ぶらで西芳寺〜
受付期間2か月前〜1週間前(必着)1週間前〜前日
申込人数上限1組5人まで
(それ以上は要相談)
1組2人まで
参拝冥加料・料金1人 3,000円以上1人 4,000円*2 *3
お問い合わせ先西芳寺一般社団法人西芳会
(西芳寺の後援団体)

京都市西京区松尾神ケ谷町56
075(391)3631

HP: https://saihoji-kokedera.com/

京都駅より京都バス73、83系統 苔寺・すず虫寺下車 徒歩3分

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