pickup

建仁寺は日本臨済宗の宗祖栄西が京都で最初に建てた禅寺

日本の禅宗は、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗の三宗で、建仁寺は日本臨済宗の宗祖栄西が京都で最初に建てた禅寺である。
それは栄西が2度におよぶ入宋後の1202年、元号でいえば建仁2年で、それにより寺名とした。
しかし当初は比叡山など旧仏教からの反発を減じるため、天台、真言、禅の三宗兼学の寺としており、1265年(文永2)、11世住持の蘭渓道隆によって禅刹として定まった。

なお、栄西は中国から日本に茶の種を持ち帰り、茶の効用と栽培方法を広め、『喫茶養生記』さを著した僧として知られる。

その後、建仁寺は室町幕府3代将軍足利義満が定めた京都五山の第三位となり、大いに隆盛するが、たびたびの火災で堂宇を失い、そのたびに再建をくり返す。
明治維新までは約5万4000坪という寺域の広さを誇っていたが、上知令によって半分以下に減らされてしった。

禅寺の伽藍と寺宝

四条通に弁柄色の壁をみせる「一力」の角を南に、お茶屋が建ち並ぶ花見小路通をゆくと、建仁寺の裏門から境内に入ることができるが、正統な拝観順路とはいえない。できればまず八坂通に門を開く勅使門に佇んで、その勅使門から放生池、三門、法堂、方丈と並び、東西に境内塔頭を配する禅宗伽藍の迫力ある景観をぜひみていただきたい。

三門の先に建つ法堂は、1765年(明和2)の建設と伝える。重厚さを二層の大瓦屋根で示し、枯淡さを初層の白壁と火頭窓であらわす。
方丈は1599年(慶長4)に安芸国(広島県)の安国寺から移築したもので青緑色の銅板茸の屋根がゆったりとして端正な姿をみせている。この方丈前庭は白砂敷に砂紋を描き緑苔と巨石を配してのびのびとした造園である。
建仁寺には美術品も多く、法堂の天井画「双龍図」、また方丈内の襖絵には1940年(昭和15)に橋本関雪が描いた「生々流転」「伯楽」があり、さらに方丈の裏の部屋には有名な「風神雷神図」が陶板複製となって置かれている(実物は京都国立博物館に寄託)。

なお、建仁寺の南、松原通付近に孟藺盆会の「精霊迎え」で知られる六道珍皇寺と空也上人由来の六波羅蜜寺がある。
とくに六波羅蜜寺の宝物館に展示される仏像肖像群は傑作。

京都市東山区大和大路通四条下ル小松町584
075(561)6363
10時~16時
境内参拝自由(伽藍拝観500円)
京都駅より市バス100,206系統
http://www.kenninji.jp/
東山安井下車徒歩5分

アクセス

おすすめの記事